高齢化が進む現代において、「住み慣れた家に住み続けながら老後の資金を確保したい」と考える高齢者が増えています。
そんなニーズに応える仕組みとして注目されているのが「リースバック」です。しかし、仕組みやメリットがよく分からず、家族での話し合いが進まないという声も少なくありません。
本記事では、高齢者に選ばれるリースバックの仕組みやメリット、利用時の注意点について解説します。
家族全員が納得できる判断をするために、ぜひ最後までご覧ください。
なお、以下では、西湘エリアでリースバックに対応しているおすすめの不動産会社をまとめているので、参考にしてください。
高齢者に選ばれるリースバックとは?仕組みと注目される理由

近年、高齢者の間でリースバックの利用が広がりつつあります。住み慣れた家を手放すことなく資金を確保できる点が、多くのシニア世代にとって魅力的に映るからです。
ここでは、そもそもリースバックとは何か、その基本構造や背景にある社会的課題、利用が増えている要因を深掘りしていきます。
以下の3点を順に解説していきます。
まずは、リースバックの基本構造を正しく理解することが重要です。どのような流れで資金化されるのかを押さえておきましょう。
リースバックの基本的な仕組み
リースバックとは、所有している住宅を不動産会社に売却し、同時にその家を借りる形で住み続けられる仕組みです。売却によって一括でまとまった資金を受け取りつつ、賃貸契約に切り替えることで引っ越しの必要がありません。
これは、老後の生活費や医療費の確保、住宅ローンの整理を目的とした資金調達手段として活用されています。所有権は買主に移るものの、一定期間は家賃を支払うことで自宅に居住可能です。
契約内容によっては買戻しのオプションがある場合もあり、将来的な選択肢を残したい人にも向いています。
高齢者が関心を持つ背景にある3つの社会問題
高齢者がリースバックに関心を寄せる背景には、社会的な課題が深く関わっています。主な要因は以下の3つです。
- 年金だけでは生活費が足りない現実
- 子どもと同居せずに老後を送る人が増えている
- 住宅ローンを完済できない高齢者が増加している
これらの問題に共通するのは、「現金化したいけれど住まいを変えたくない」というニーズです。
生活資金を確保するために自宅を手放したいが、住み慣れた地域を離れたくないという思いを持つ高齢者にとって、リースバックは有効な解決策となります。
特に単身高齢者にとっては、経済的な安心感を得ながら地域とのつながりを維持できる制度として評価されています。
高齢者のリースバック利用が増えている理由
近年、リースバックを選択する高齢者が増加しています。主な理由は、経済的な余裕を確保しながらも、生活環境を変えずに老後を過ごしたいというニーズが顕在化しているからです。
住宅ローンの残債を抱えたまま定年を迎えるケースや、医療・介護費用への備えを重視する高齢者が増えたことも背景にあります。加えて、子どもと別居しているケースが多く、住み替えに対する抵抗感が大きいという点も挙げられます。
売却後に賃貸として住み続けられるリースバックは、これらの課題に対し柔軟な対応が可能な制度です。したがって、老後資金対策の一環として、高齢者の間で選ばれるケースが増えているのです。
リースバックとリバースモーゲージの違い

リースバックとリバースモーゲージは、どちらも「自宅に住み続けながら資金を得る」ことができる手段として注目されていますが、その仕組みや契約内容、リスクの性質は大きく異なります。
選択を誤ると、将来的な生活設計や相続に影響を及ぼす可能性があるため、それぞれの特徴を正しく理解しておくことが重要です。
以下に、主な違いをわかりやすく表にしました。ぜひお役立てください。
リースバックとリバースモーゲージの比較表
項目 | リースバック | リバースモーゲージ |
---|---|---|
資金の受け取り方 | 不動産を売却して一括で受け取る | 不動産を担保にして借入(分割受け取りが一般的) |
所有権 | 売却により買主(不動産会社など)に移転 | 自分に所有権が残る |
居住継続の仕組み | 賃貸契約を結び、家賃を支払って住み続ける | 所有者としてそのまま住み続ける |
対象年齢 | 年齢制限なし(誰でも利用可) | 原則60歳以上(金融機関の基準に準ずる) |
契約終了時の対応 | 再契約できない場合は退去を求められる可能性がある | 死亡または転居時に担保物件を売却して返済 |
相続の扱い | 売却済みのため資産として残らない | 借入残債が相続人に影響する可能性あり |
向いている人 | 今すぐまとまった資金が必要な人 住み替えたくない人 | 毎月の生活費を補いたい人 資産を相続する予定がない人 |
高齢者がリースバックを利用するメリット

リースバックは、高齢者にとって「住み慣れた自宅に住み続けながら資金を得る」という点で非常に魅力的な制度です。年金収入や貯蓄だけでは将来が不安という方にとって、自宅を資産として有効活用できる方法として注目されています。
また、売却しても賃貸として住み続けられるため、引っ越しによる心身の負担を避けたい方にも適しています。ここでは、高齢者がリースバックを利用することによって得られる代表的なメリットを整理します。
代表的なメリットは以下の通りです。
・自宅を売却しても引っ越さずに住み続けられる
・まとまった資金を一括で確保できる
・年齢や収入の制限が少なく利用しやすい
リースバックの最大の魅力は「自宅=資産」を現金化できる点にあります。たとえば、老後の生活費や医療費、介護費用の確保にあてられるほか、子や孫への贈与や旅行など、自由な使い道が可能です。
また、リバースモーゲージと異なり、年齢や所得制限が比較的ゆるいため、収入が限られている高齢者でも利用しやすいという利点があります。生活環境を変えずに経済的なゆとりを持ちたい高齢者にとって、有力な選択肢のひとつといえるでしょう。
高齢者がリースバックを利用する際の注意点

リースバックは高齢者にとって、住み慣れた自宅に居住し続けながら資金を確保できる便利な制度ですが、契約内容や将来的なリスクを十分に理解していないと、後々「こんなはずではなかった」と後悔する可能性もあります。
特に高齢者の場合、契約書の複雑さや相続への影響など、家族や法律の観点からも慎重に検討する必要があります。ここでは、リースバックを利用する前に必ず押さえておきたい注意点を整理します。
利用前にチェックしておきたい主なポイントは以下のとおりです。
・再契約や契約期間終了後の住まいのリスクに備える
・売却価格や家賃が適正かどうかを確認する
・相続や家族との共有意思を整理しておく
まず、リースバックの賃貸契約は定期借家契約となることが多く、契約期間満了後に再契約できないリスクがあります。長期的に住み続けたいと考えている場合は、この点を事前に確認し、契約条件に明記しておく必要があります。
また、売却価格が相場より低く設定される場合や、家賃が高額になるケースもあるため、複数社に見積もりを依頼し比較することも重要です。さらに、自宅が資産の大部分を占める場合、相続や家族の同意も大切な要素です。
契約前に家族としっかり話し合い、将来の生活設計と照らし合わせて判断しましょう。
家族でリースバックを話し合うときの3つのポイント

リースバックは高齢者本人だけでなく、家族にとっても今後の生活や資産に関わる重要な選択です。だからこそ、家族全体で意思確認を行い、納得のうえで進めることが非常に重要です。
家族の協力があれば、トラブルを未然に防ぎ、安心してリースバックを利用することができます。以下の3つの観点から、事前に確認・共有しておくことが望まれます。
まず、契約を進める際は「家族全員の認識を一致させること」が大切です。以下で詳しく解説します。
子どもと一緒に判断することでトラブルを防げる
リースバックは、自宅を売却しながら住み続けられる仕組みですが、その内容は相続や財産管理にも影響します。そのため、高齢者本人だけで判断せず、家族、特に子ども世代と一緒に内容を確認・判断することが重要です。
たとえば、契約内容を家族が把握していなければ、将来の相続時に「知らなかった」「相談されていない」といったトラブルに発展することもあります。また、子どもが金融や不動産に詳しい場合、リスクの見落としも防げるでしょう。
事前に一緒に判断することで、家族間の信頼を維持し、安心して制度を活用できます。
資産・相続・住まいの希望を事前に整理する
リースバックを利用する前に、現在の資産状況・相続予定・将来的な住まい方などを整理しておくことが大切です。これにより、「売却価格をどこまで希望するか」「家賃の負担にどれだけ耐えられるか」「相続財産として何を残すべきか」など、具体的な判断基準が明確になります。
特に高齢者が一人で決めてしまうと、家族が将来の生活設計に支障を感じるケースもあるので注意が必要です。資産や住まいに関する希望を家族で共有し、相続の影響も含めたうえで総合的に判断することが、トラブル防止と納得の契約につながるでしょう。
不動産会社の相談には家族も同席する
リースバックの相談を不動産会社に持ちかける際は、できる限り家族も同席することをおすすめします。なぜなら、専門用語や制度の仕組みが複雑なため、一人で聞き取り・判断するには限界があるからです。
家族が同席することで、契約内容に対する理解が深まり、疑問点もその場で共有・質問しやすくなります。また、会社の対応姿勢や信頼性を家族の目でもチェックできるため、不安を軽減しやすくなります。
特に高齢者にとっては、冷静かつ客観的な視点でサポートしてくれる家族の存在が、安心して意思決定を進めるうえで大きな支えとなるでしょう。
高齢者が安心して任せられる不動産会社の選び方

高齢者がリースバックを検討する際、不動産会社選びは成功のカギを握る重要なポイントです。信頼できる会社を選ばなければ、「契約内容の誤解」や「不当な家賃設定」「不十分なサポート」といったトラブルに発展する可能性もあります。
特に高齢者の場合は、専門用語が多く複雑な内容を一人で判断するのが難しい場面もあるため、誠実で丁寧な対応をしてくれる会社を見極めることが不可欠です。安心して任せられる会社には、いくつか共通の特徴があります。
信頼できる不動産会社かどうかを見極めるには、次のポイントに注目しましょう。
・リースバックの実績が豊富で制度に精通している
・契約内容を丁寧に説明し、不明点にしっかり答えてくれる
・高評価の口コミや第三者からの評価がある
これらのポイントに注目することで、不安なく相談・契約を進められる環境が整います。
まず、「リースバックに関する実績が豊富であること」は非常に重要です。制度の仕組みやリスクを深く理解している会社であれば、状況に応じて柔軟かつ最適な提案をしてくれます。
また、専門用語を噛み砕いてわかりやすく説明してくれる担当者がいるかも重要な判断材料です。さらに、インターネットでの口コミ評価や、宅地建物取引業の免許番号、加盟団体の有無なども信頼性を確認する要素として活用できます。
高齢者が安心してリースバックを利用するためには、「説明力」「実績」「第三者評価」の3つの柱をしっかり見極めることが大切です。
西湘エリアでリースバック対応のおすすめ不動産会社3選

リースバックは、自宅に住み続けながら資金を確保できる柔軟な制度として注目されており、老後の資金計画や住み替えにも役立つ選択肢です。西湘エリアには、こうしたニーズに応える不動産会社が複数存在します。
今回は、相談のしやすさや対応力に優れた3社をピックアップして紹介します。
それぞれの会社が提供するサービスの特長や、リースバック対応におけるポイントを詳しく見ていきましょう。
ハウスドゥ 小田原市役所前

『ハウスドゥ 小田原市役所前』は、小田原市を中心に南足柄市・足柄上郡など西湘地域に根差した営業を展開している不動産会社です。
項目 | 詳細 |
---|---|
屋号 | ハウスドゥ 小田原市役所前 |
会社名 | 株式会社Forest field |
所在地 | 〒250-0042 神奈川県小田原市荻窪531-6 |
電話番号 | 0465-34-2555 |
リースバックページ | https://odawarashiyakusyomae-housedo.com/leaseback/ |
公式HP | https://odawarashiyakusyomae-housedo.com/sell/ |
免許番号 | 神奈川県知事(1)第31148号 |
売却を希望する方の事情に応じて「高く売りたい」「早く売却したい」「住みながら売却したい」といった多様なニーズに対応しており、リースバックにも柔軟な姿勢で取り組んでいます。
小田原市役所すぐそばの店舗はアクセスもよく、地域の相場に詳しいスタッフによる丁寧なヒアリングで、初めての売却でも安心して相談できます。さらに、エリアに特化した物件情報が豊富に掲載されており、売却価格や活用方法を比較・検討しやすい点も強みです。
生活スタイルや今後のライフプランに沿った提案を求める方にとって、心強いパートナーとなる不動産会社といえるでしょう。
ハウスドゥ 小田原市役所前 株式会社Forest fieldについて詳しく知りたい方は、こちらも合わせて御覧ください。
ハウスドゥ 小田原市役所前 株式会社Forest fieldについてさらに詳しく知りたい方は、公式HPでも確認できます。
センチュリー21 住宅セレクション小田原店

『センチュリー21 住宅セレクション小田原店』は、小田原市成田に拠点を構え、地域に密着した営業スタイルと全国規模のブランド力を併せ持つ不動産会社です。
項目 | 詳細 |
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屋号 | センチュリー21 住宅セレクション小田原店 |
会社名 | 住宅セレクション株式会社 |
所在地 | 〒250-0862 神奈川県小田原市成田170-1 |
電話番号 | 0465-39-3250 |
公式HP | https://www.century21.jp/store/141203- |
免許番号 | 神奈川県知事(3)第28319号 |
西湘エリアの不動産取引において実績があり、売却・買取・建築請負まで幅広いサービスを提供しています。店舗には宅地建物取引士をはじめとする経験豊富なスタッフが複数在籍しており、売却相談に対しても専門的な知見で丁寧に対応してくれます。
リースバックに関する記載はないものの、買取や再契約などへの柔軟な対応力が見受けられ、住み続けながら資金化したいといった相談にも応じてもらえる可能性があります。
店舗にはキッズスペースや駐車場が完備されており、家族での来店にも配慮がある点も安心材料です。
センチュリー21 住宅セレクション小田原店 住宅セレクション株式会社について詳しく知りたい方は、こちらも合わせて御覧ください。
ハートマイホーム小田原店
『ハートマイホーム小田原店』は、ダイトー建設不動産が運営する店舗で、小田原市を中心に幅広い不動産売買に対応しています。
項目 | 詳細 |
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屋号 | ハートマイホーム小田原店 |
会社名 | 株式会社ダイトー建設不動産 |
所在地 | 〒250-0852 神奈川県小田原市栢山506-1 パストラル宮ノ上103 |
電話番号 | 0120-76-0338 |
公式HP | https://www.dyto.jp/baikyaku/ |
免許番号 | 神奈川県知事(5)24260号 |
特に注目すべきは、店舗が小田急線「栢山駅」から徒歩4分という好立地にありながら、来店者の利便性を重視して送迎サービスや17台分の駐車スペースも確保している点です。
不動産の売却・住み替えに関する相談に対応しており、住みながら売却したいというリースバックの希望にも柔軟に応じてくれる体制が整っています。平日・土日祝を問わず案内が可能で、日常の都合に合わせて無理なく来店予約ができるのも利用者にとって大きなメリットです。
相談のしやすさやスタッフの対応力を重視する方には、初回相談の選択肢としておすすめの一社です。
ハートマイホーム小田原店 株式会社ダイトー建設不動産について詳しく知りたい方は、こちらも併せて御覧ください。
まとめ
本記事では、高齢者に選ばれるリースバックの仕組みやメリット、利用時の注意点について解説しました。
リースバックは、自宅に住み続けながら資金を確保できる制度として、老後の生活設計に不安を抱える高齢者にとって心強い選択肢です。特に、「年金だけでは足りない」「住み替えは避けたい」というニーズに応える手段として注目されています。
しかし、契約内容によっては将来的なリスクも伴うため、家族と話し合いながら信頼できる不動産会社を選ぶことが不可欠です。
正しい理解と準備があれば、安心して老後を過ごすための有効な制度として活用できるでしょう。